大学広報 TikTokの始め方:企画会議から撮影・公開までの運用フロー
大学の情報発信は、文章だけでは伝えきれない場面が増えています。キャンパスの空気感、学生の表情、授業のテンポ、研究の臨場感、先生の人柄。こうした要素は、短い縦型動画で一気に伝わります。その中でも大学広報 TikTokは、受験生世代の視聴習慣と相性がよく、大学の入口として強い媒体です。
一方で、始めようとすると悩みも出ます。「何を撮ればいいかわからない」「担当者の負担が重くなって続かない」「撮影しても公開まで行きつかない」「炎上や個人情報が不安」。こうした壁を越えるコツは、センスよりも運用です。企画会議から撮影、編集、公開、改善までの流れを最初に固定し、迷う回数を減らす。これだけで継続率と成果が上がります。
この記事では、大学広報 TikTokをゼロから立ち上げ、日常業務として回していくための運用フローを、できるだけわかりやすく整理します。難しい機材や大人数が前提ではなく、スマホ中心で回せる現実的な形を基本にします。
1. 始める前に決めるべきこと(ここが曖昧だと全部がブレる)
大学広報 TikTokは「投稿して終わり」になりやすいので、最初に土台を作ります。会議で決める項目は多く見えますが、決めるほど現場は楽になります。
目的を1文にする
例
- 受験生の不安を減らし、オープンキャンパス参加につなげる
- 学部選びの比較材料を増やし、学科ページの閲覧を増やす
- 大学の雰囲気を伝え、第一志望化のきっかけを作る
目的が長いと迷うので、1文で言える形にします。
見てほしい相手を絞る
最初から全員に刺そうとすると薄くなります。まずは優先順位を決めます。
- 受験生(高3・高2)
- 保護者
- 高校教員
- 社会人(編入・院・リカレント)
- 企業・地域(連携)
最初の3か月は「受験生中心」のように絞ると回しやすいです。
成功の基準を決める(KPIを3つまで)
大学広報 TikTokでよくある失敗は、再生回数だけを追って疲れることです。3つだけで十分です。
例(入口の指標)
- 平均視聴時間、完了率(最後まで見られたか)
- 保存・シェア数(役立つと思われたか)
- プロフィール閲覧数(もっと知りたいと思われたか)
例(行動の指標)
- プロフィールリンクのクリック
- オープンキャンパス予約ページへの流入
- 資料請求ページへの流入
この段階で「数字の報告先」も決めます。月次で誰に何を報告するかが決まると継続しやすいです。
投稿ペースを無理のない形に固定する
おすすめは週1本から。最初から毎日は燃え尽きます。
- 週1本(まずは継続優先)
- 週2本(回り出してから)
- 週3本(撮影体制が整ってから)
最初は「月4本」を死守するほうが強いです。
ルールを短く作る(守れる量だけ)
大事なのは完璧な規程ではなく、現場が迷わない最低限です。
- 学生の顔出し許諾(撮影・公開の範囲、撤回の窓口)
- 個人情報の禁止(名札、掲示物、PC画面、書類、位置情報)
- 撮影禁止エリア(研究室、共同研究先、実験設備など)
- コメント対応の方針(返信する範囲、削除基準、誘導先)
- 公開前チェックの承認者(誰が最終OKか)
2. 体制づくり(少人数でも回る役割分担)
大学広報 TikTokは「担当者一人の頑張り」に寄せると続きません。役割を小さく分けます。兼務でOKです。
- 企画担当:ネタ出し、台本、投稿カレンダー
- 撮影担当:撮影日の調整、現場での撮影
- 編集担当:字幕、カット、テンポ調整
- 公開担当:キャプション、投稿、コメント確認
- 監修担当:入試情報、学内ルール、表現チェック(必要なときだけ)
コツは、全員が毎回関わる形にしないことです。例えば「監修は入試系の動画だけ」「研究系は該当教員だけ」など、負担を限定します。
3. 企画会議のやり方(重くしない、でも止まらない)
企画会議がうまくいかない原因は、毎回ゼロから考えることです。型を固定します。
企画の3本柱を決める
大学広報 TikTokは、この3本柱が特に回しやすいです。
- 入試:不安を減らす(出願、方式、面接、学費、OC)
- 学生生活:入学後が想像できる(授業、友だち、施設、サークル)
- 学び・研究:魅力が伝わる(研究の入口、授業の面白さ、先生の人柄)
週替わりで回すだけでネタ切れしにくくなります。
会議は30分で「次の8本」を決める
おすすめは2週間〜1か月単位でストックを作ることです。会議では深掘りしすぎず、まず決める。
会議で決める項目(テンプレ)
- タイトル案(15文字くらい)
- 誰向けか(受験生/保護者など)
- 1本で言う結論(1文)
- 要点(3つ)
- 撮影場所(どこで撮るか)
- 話者(学生/教職員/ナレーション)
- CTA(次にしてほしい行動を1つ)
ここまで決めると、撮影が止まりません。
企画を量産するネタの出し方
ネタが尽きないコツは「質問の形」にすることです。
- 受験生が不安に感じることは何か
- 入学前に誤解されやすいことは何か
- よく聞かれる質問は何か
- 初めて来る人が迷うポイントはどこか
- 学科の違いを一言で言うなら何か
さらに、同じ企画を横展開します。
例:学部別、学科別、キャンパス別、学年別、先生別
同じ型で数が増えると、運用が強くなります。
4. 台本づくり(短尺は台本が命)
大学広報 TikTokは短いので、撮影より「言う順番」が大事です。台本は長文ではなく、型に当てはめます。
60秒以内の基本構成(迷ったらこれ)
- 0〜3秒:誰向けで何が得られるか
- 3〜45秒:要点3つ(1つ15秒目安)
- 45〜60秒:まとめと次の一歩(CTAは1つ)
例(冒頭の言い方)
- 受験生向けに、総合型の準備で最初にやることを3つで話します
- 初めてのオープンキャンパスで迷わない回り方を1分でまとめます
- 学部選びで迷っている人に、この学科が向いている人の特徴を3つ言います
台本テンプレ(そのまま使える)
- 冒頭:今日は「◯◯」を、◯◯向けに、3つで話します
- 要点1:まず1つ目は◯◯。理由は◯◯。
- 要点2:2つ目は◯◯。ここで迷う人が多いです。
- 要点3:3つ目は◯◯。具体的には◯◯。
- まとめ:ここまでの3つを押さえると◯◯が楽になります
- CTA:詳しい手順はプロフィールから◯◯を確認してください
字幕にする前提で、一文を短くします。
5. 撮影準備(当日バタつかないための段取り)
撮影が止まる原因は、素材不足と許諾不足です。撮影前に整えるとスムーズです。
撮影前チェック(最低限)
- 撮影場所の許可(教室、図書館、研究室、学食など)
- 映り込み対策(名札、掲示物、学生証、PC画面)
- 学生の許諾(顔出し範囲、名前表記の有無)
- BGM素材の方針(学内で統一)
- 当日の撮影リスト(何を何カット撮るか)
スマホ撮影でも失敗しにくい設定
- 縦で撮る(後から縦に切ると画が窮屈)
- 明るい場所を選ぶ(暗いと一気に素人感が出る)
- 音は重要(可能ならピンマイク、難しければ静かな場所)
- 手ブレを減らす(スマホスタンドか三脚があると楽)
6. 撮影当日のフロー(短時間で本数を稼ぐ)
おすすめは「月1回の撮影デー」でまとめ撮りです。1日で5〜10本分の素材を作れます。
撮影の順番(効率が良い)
1)定点トーク(教員・職員・学生の説明)
2)キャンパス素材(歩き、教室、施設、看板、風景)
3)学生生活素材(学食、サークル、移動、勉強)
4)不足カットの補充(手元、資料、テロップ用)
トークを先に撮ると、後から必要なBロールがわかります。
1本あたりの撮り方(失敗しないコツ)
- 同じセリフを2回撮る(安心用の予備)
- 1文ごとに止めて撮る(編集でつなぎやすい)
- 7秒以上同じ画を続けない意識(飽きやすい)
- 要点は口でも字幕でも伝わるようにする
短尺は「言い直しOK、後で切る」が正解です。
7. 編集フロー(テンプレ化すると一気に回る)
大学広報 TikTokの編集は、凝るほど続きません。テンプレを先に作り、判断を減らします。
編集の基本ルール
- 最初の3秒で内容を言い切る(結論が遅いと離脱)
- 無音でもわかる字幕(要点は必ず文字にする)
- 余白を切る(間、言い淀み、移動の無駄を削る)
- 1本1テーマ(詰め込みすぎると結局伝わらない)
テロップのコツ
- 長文にしない(1行で読める量)
- 専門用語は言い換えを添える
- 見出しを先に出す(今どこを話しているか迷わせない)
量産のやり方(1本を3本にする)
3〜6分の説明動画を作ったら、そこから切り出します。
- 要点だけの30秒
- 質問1つに答える15秒
- よくあるミスだけの20秒
こうすると撮影負担は増えずに投稿本数が増えます。
8. 公開フロー(投稿で迷わないための固定手順)
公開時に迷うと、結局投稿が遅れます。チェックリスト化します。
投稿前チェック(最低限)
- 誤情報がない(入試日程、制度、数字)
- 個人情報が映っていない(名札、掲示物、書類、画面)
- 許諾が取れている(学生、協力先)
- 字幕で要点が伝わる
- CTAが1つに絞れている
- コメント対応の想定がある(荒れやすい話題は慎重に)
キャプションの考え方
キャプションは長文よりも、見る理由を短く書きます。
- 誰向けか
- 何がわかるか
- 次に何をしてほしいか
例
- 受験生向け:オープンキャンパスで失敗しない回り方3つ
- 保護者向け:学費と支援制度の見方を1分で整理
- 学部選び:この学科が向いている人の特徴3つ
CTAの置き方(行動につなげる)
大学広報 TikTokは見てもらうだけで終わりやすいので、CTAは必ず設計します。
- プロフィールからオープンキャンパス予約へ
- プロフィールから資料請求へ
- 学科ページのチェックリストを見る
- よくある質問のまとめを見る
1本の動画にCTAは1つが基本です。
9. コメント・DM対応(大学ならではの安心運用)
大学のアカウントは、個人のノリで返すとリスクが出ます。対応方針を決めておくと安全です。
返信の基本方針
- 事実は公式情報に寄せる(断定しない)
- 個別事情はフォームや窓口へ誘導する
- 荒れる可能性がある話題は返信しないか、定型文で終える
- 誹謗中傷や個人攻撃は対応ルールに沿って処理する
よくある質問は固定化する
入試、学費、OC、施設利用など、頻出質問はテンプレ返信を作ります。現場の負担が大きく減ります。
10. 効果測定と改善(頑張りを成果に変える)
大学広報 TikTokを続けるには、「何が良かったか」を言語化して改善する仕組みが必要です。おすすめは月1回の簡単な振り返りです。
見る指標を3つの箱で整理する
- 視聴の質:平均視聴時間、完了率、冒頭離脱
- 反応:保存、シェア、コメント、フォロー増
- 行動:プロフィール閲覧、リンククリック、予約や資料請求への流入
ここが揃うと「原因の切り分け」ができます。
- 視聴が弱い:導入、テンポ、字幕、構成を直す
- 視聴は良いが行動が弱い:CTAの言い方、導線、行き先ページを直す
- 行動はあるが成果が弱い:予約フォームやページのわかりやすさを直す
月次レポートの型(これだけでOK)
- 今月の投稿本数
- 伸びた動画トップ3(理由の仮説も一言)
- 落ちた動画ワースト3(離脱箇所の仮説)
- 次月に試すことを1つ(例:冒頭3秒の型を統一する)
「反省」より「次のテスト」を残すと回ります。
11. 継続できる運用にするコツ(燃え尽き防止)
大学広報 TikTokは、短期で頑張るより、淡々と回すほうが強いです。
- まとめ撮りで負担を平準化する(月1回が目安)
- 企画は型に当てはめる(毎回ゼロにしない)
- 1本を分割して投稿数を作る(編集で増やす)
- 監修が必要な動画を限定する(全部に監修をかけない)
- 引き継ぎできる形にする(企画シート、台本テンプレ、公開チェックを残す)
担当者が変わっても回る形を作るほど、大学広報 TikTokは強くなります。
すぐ使える運用テンプレ(コピペ用)
企画シート項目
- 企画タイトル:
- 目的(1文):
- 対象(誰向け):
- 結論(最初に言う一文):
- 要点3つ:
- 撮影場所:
- 話者:
- 必要素材(Bロール):
- CTA(1つ):
- 監修者(必要なら):
- 公開予定日:
公開前チェック(短縮版)
- 誤情報なし
- 個人情報なし
- 許諾OK
- 字幕で要点が伝わる
- CTAは1つ
- 誘導先がテーマと一致
まとめ
大学広報 TikTokを成功させるポイントは、派手な演出や特別な機材よりも、運用フローの固定です。企画会議で「次の8本」を決め、台本は型に当てはめ、撮影はまとめ撮り、編集はテンプレ化、公開はチェックリストで迷いを消す。そして月1回、数字を見て次のテストを1つ決める。この流れができると、入試期だけ頑張って燃え尽きる状態から抜け出せます。
まずは、入試・学生生活・学び研究の3本柱を決め、週1本でいいので3か月だけ回してみてください。大学広報 TikTokは、続けるほど素材がたまり、企画が回り、協力者が増え、どんどん楽になります。
弊社へのご相談も下記からお願いいたします。
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