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大学広報 TikTokのKPI設計:再生数より大事な指標と入試導線
動画制作
2025.12.29

大学広報 TikTokのKPI設計:再生数より大事な指標と入試導線

大学広報 TikTokを始めると、最初に目に入るのは再生数です。伸びると嬉しいし、会議でも説明しやすい。でも、大学広報の目的が「大学の認知を広げる」だけで終わらない以上、再生数だけを追う運用は早い段階で壁に当たります。バズったのに資料請求が増えない。フォロワーが増えたのにオープンキャンパス予約につながらない。コメントは盛り上がるのに志望度が上がった気がしない。こうしたズレは、KPIが「入試導線」ではなく「動画の成績表」になっていると起きやすい現象です。

この記事では、大学広報 TikTokを入試につなげるために、再生数より優先すべき指標と、導線設計の考え方をわかりやすく整理します。ポイントは、KPIを1つ決めて終わりではなく、「導線のどこを太くするか」を先に決め、段階ごとに指標を置くことです。


まず決めるべきは「TikTokの役割」

TikTokは万能ではありません。大学の公式サイトのように情報を網羅する場所でも、出願手続きを完結させる場所でもない。強いのは、短時間で感情を動かし、次の行動を生む入口になれることです。

だから最初に、TikTokに担わせる役割を明確にします。おすすめは次の3択です。

  • A. 発見の入口:大学を初めて知る、印象が変わる
  • B. 志望理由のタネ:学部・学科、学び、学生生活のリアリティが伝わる
  • C. 行動の入口:オープンキャンパス予約、資料請求、相談、説明会参加などに送客する

多くの大学では、AとBを積み上げつつ、Cにつなげます。ここが曖昧だと、KPIも曖昧になります。再生数を上げること自体が目的化し、入試導線が弱いまま運用が続いてしまいます。


再生数より大事な「3層KPI」

大学広報のTikTokは、KPIを3層で持つとブレにくくなります。

  • 最終KPI(成果KPI):入試導線の最終的な成果
  • 中間KPI(行動KPI):導線上の具体行動
  • 先行KPI(動画KPI):動画の質を示す早期指標

再生数は「先行KPIの一部」に置くのが基本です。成果に直結しない数字を最上位に置かないことが重要です。


2-1. 最終KPI(成果KPI)の例

TikTok単体で出願を完結させるのは難しいため、大学広報では「出願の一歩手前」までを最終KPIに置くのが現実的です。例えば次のようなものです。

  • オープンキャンパス予約完了数
  • 資料請求完了数
  • 説明会(オンライン含む)申込完了数
  • 個別相談予約完了数
  • LINE公式アカウントの友だち追加後の相談開始数
  • 入試特設ページの到達数と滞在(後述)

大学の状況によっては、ここに「総合型選抜のエントリー数」や「オープンキャンパス来場数」を置くこともできます。ただし、TikTok以外の要因が大きくなるほど、分析が難しくなる点には注意が必要です。最初は「予約・請求・相談」のように、比較的TikTokで動かしやすいアクションに寄せると設計しやすいです。


2-2. 中間KPI(行動KPI)の例

最終KPIに直結する、導線上の行動を測ります。ここが弱いと、動画がいくら伸びても成果が出ません。

  • プロフィール閲覧数
  • リンククリック数(プロフィールリンク、固定コメント、リンクまとめ等)
  • 入試ページ/OCページのセッション数(TikTok経由)
  • フォーム到達率(ページ到達→フォーム開始)
  • フォーム完了率(開始→送信)
  • LINE追加率(リンククリック→友だち追加)

TikTokの強みは「短い接触を大量に作る」ことなので、導線は短く、迷いなく、スマホで完結する形が理想です。中間KPIは、その導線の詰まりを特定するために置きます。


2-3. 先行KPI(動画KPI)の例

ここが「再生数より大事」になりやすい領域です。大学広報で見るべきは、視聴の質と、次の行動につながる反応です。

  • 冒頭維持率(最初の1〜3秒で離脱していないか)
  • 平均視聴時間(短尺でも「どこまで見られたか」)
  • 完了率(最後まで見た割合)
  • 保存数(あとで見返したい=検討の匂いが強い)
  • シェア数(友人や保護者に送っている可能性)
  • コメントの質(質問が出ているか、誤解が生まれていないか)
  • フォロー率(視聴→フォローの割合)
  • プロフィール遷移率(視聴→プロフィール閲覧の割合)

特に保存とシェアは、大学選びの検討行動に近い反応です。再生数がそこまで伸びていなくても、保存やプロフィール遷移が強い動画は「入試導線の素材」として価値があります。逆に再生数が高くても、保存もプロフィール遷移も弱いなら「面白いが大学選びに残らない」可能性があります。


入試導線を「一本」にしない。目的別に分ける

大学広報の導線設計でよくある失敗は、プロフィールのリンク先が1つで、しかも情報が多すぎることです。高校生は迷った瞬間に戻ります。導線は目的別に分けるのが基本です。

導線の型は次のように考えると整理しやすいです。

  • 導線A:まずは雰囲気を掴む(大学紹介、キャンパス、学生生活)
    行き先:学び・キャンパスのまとめページ、学部紹介の入口
  • 導線B:オープンキャンパスに行く(予定を立てる)
    行き先:OC日程一覧→予約フォーム(最短導線)
  • 導線C:入試が不安(制度を理解したい)
    行き先:入試要点だけのページ(長文PDFに直リンクしない)
  • 導線D:相談したい(背中を押してほしい)
    行き先:LINE追加→チャット導線、個別相談予約

ポイントは「TikTokから行くページは、公式サイトのトップではなく、目的別の着地ページ」であることです。トップページに飛ばすと、迷子が増え、中間KPIが落ちます。


KPIで「詰まり」を見つける診断の考え方

KPIは並べるだけだと意味がありません。導線のどこが詰まっているかを診断できる形にします。おすすめの見方は、次の4段階です。

1)動画が見られているか(先行KPI)

  • 冒頭維持率、平均視聴時間、完了率

2)興味が動いたか(先行KPI)

  • 保存、シェア、コメント、フォロー率

3)次の行動に移ったか(中間KPI)

  • プロフィール遷移率、リンククリック率

4)行動が完了したか(最終KPI)

  • 予約完了、請求完了、相談開始

例えば、次のように原因を切り分けられます。

  • 再生はあるが、プロフィール遷移が低い
    →動画の中で「大学名が伝わっていない」「行き先が曖昧」「CTAが弱い」
  • プロフィール遷移は高いが、リンククリックが低い
    →プロフィールの設計が弱い(固定動画・自己紹介・リンクの見せ方)
  • リンククリックはあるが、予約完了が低い
    →遷移先ページが重い、フォームが長い、日程が見つからない、導線が複雑

このように、KPIは「改善アクションが1つに定まる形」にしておくと、運用が強くなります。


大学広報TikTokで効く「指標の置き方」実例

ここからは、実務で使いやすいKPIセットの例です。大学の体制や目標に合わせて、まずは一つの型を選んで育てるのがコツです。


5-1. オープンキャンパス送客型(最も設計しやすい)

最終KPI

  • OC予約完了数(TikTok経由)

中間KPI

  • OCページクリック数
  • 予約フォーム到達数
  • フォーム完了率

先行KPI

  • 保存数(「後で日程確認」需要)
  • コメントの質問数(「何時から?」「学食は?」など)
  • プロフィール遷移率

相性の良いコンテンツ

  • 学部別のOC見どころ30秒
  • 在学生が案内する「当日の回り方」
  • 持ち物・服装・ひとり参加の不安解消
  • 雨の日のキャンパス、駅からの導線

5-2. 総合型選抜・入試不安解消型(信頼の積み上げ)

最終KPI

  • 相談予約完了数、説明会申込完了数
    (または入試特設ページの重要箇所到達)

中間KPI

  • 入試要点ページへのクリック
  • LINE友だち追加→相談開始

先行KPI

  • 完了率(最後まで見られる=理解されている)
  • 保存数(見返し需要)
  • コメントの質(質問が具体化しているか)

相性の良いコンテンツ

  • 入試のよくある誤解を15秒で正す
  • 面接で見られるポイント(例の出し方)
  • 志望理由書のテーマの作り方(型だけ提示)
  • 昨年度から変わった点の要約

5-3. ブランディング型(中長期で効く)

最終KPI

  • OC予約、資料請求、説明会の合計(複数の入口を束ねる)
  • または指名検索の増加(測れるなら)

中間KPI

  • プロフィール遷移数
  • 学部紹介まとめページの閲覧

先行KPI

  • シェア数(第三者に語りたくなる)
  • フォロー率(継続接触の土台)
  • シリーズ視聴(同一テーマの連続視聴)

相性の良いコンテンツ

  • 研究の「何が社会で役立つか」を一言で
  • 学生の挑戦(コンテスト、地域連携、起業)
  • 大学職員の裏側(イベント準備、奨学金の相談対応)
  • 卒業後の進路のリアル(数字よりエピソード)

再生数を追わないのではなく「使い方」を変える

誤解されがちですが、再生数を見なくていいわけではありません。再生数は、入口としての母数です。ただし、大学広報では次のように扱うのが現実的です。

  • 再生数=入口の広さ(広報のリーチ)
  • 視聴維持=入口の質(刺さっているか)
  • 保存・遷移=検討の兆し(入試に近い反応)
  • クリック・完了=成果(導線の勝ち)

つまり「再生数が高い動画=成功」ではなく、
「再生数が伸びたときに、保存・遷移・クリックが一緒に伸びているか」が重要です。
ここが連動している動画は、入試導線に効く動画です。


プロフィールは“第二のLP”。KPIに直結する設計

TikTok運用で見落とされやすいのがプロフィールです。動画だけ良くても、プロフィールが弱いと中間KPIが伸びません。特に大学は情報量が多いので、プロフィールで迷わせないことが重要です。

最低限の設計ポイント

  • 誰のアカウントか一瞬でわかる(大学名、キャンパス、地域)
  • 固定動画で「初見向け案内」を用意(OC、入試、学生生活の入口)
  • リンク先は目的別(OC、入試要点、相談)
  • コメントの固定で次行動を明示(例:日程はプロフィールから)

プロフィール改善は、動画の本数を増やすより効くことがあります。なぜなら、既存動画の視聴者も含めて「遷移→クリック」の割合が上がるからです。


KPIを回す運用ルール:週次で見るべきもの、月次で見るべきもの

KPIは、見る頻度を間違えると振り回されます。

週次で見る(改善が早いもの)

  • 冒頭維持率、平均視聴時間、完了率
  • 保存、プロフィール遷移率、リンククリック数
  • コメントの質(質問が増えているか)

月次で見る(ブレやすいもの)

  • フォロワー増加
  • OC予約完了、資料請求完了、相談予約
  • シリーズ企画の成果(積み上げ)

日々の再生数に一喜一憂するより、週次で「刺さり方」と「導線の詰まり」を見て、月次で成果を確かめる。このリズムが、大学広報では継続しやすいです。


よくある失敗と、KPIでの防ぎ方

失敗1:バズったが受験生に届いていない

対策:保存率、プロフィール遷移率、コメントの質問率を見る。盛り上がりの中身を確認する。

失敗2:リンククリックはあるのに成果が出ない

対策:フォーム到達率と完了率を分けて見る。ページの重さ、導線の長さ、入力項目の多さを疑う。

失敗3:入試情報を出すほど伸びなくなる

対策:完了率と保存数を重視する。再生数は落ちても、検討層に刺さっていれば成功。情報は「要点だけ」を短く出し、詳細は着地ページへ。

失敗4:投稿が続かない

対策:先行KPIで小さな勝ちを作る。保存が伸びた、質問が増えた、プロフィール遷移が上がった、など運用チームが納得できる中間成果を可視化する。


まとめ:大学広報TikTokのKPIは「入試導線の太さ」を測るもの

大学広報 TikTokで本当に大事なのは、動画がどれだけ見られたかだけではなく、見た人の気持ちが動き、次の行動が起き、入試につながる導線が太くなっているかです。

再生数は入口の指標。けれど、大学にとっての価値は、入口から先にあります。
保存やシェア、プロフィール遷移、リンククリック、そして予約・請求・相談。
この流れを段階ごとにKPIとして置き、詰まりを見つけて改善する。

それが、再生数より強い、大学広報のTikTok運用です。
ご相談ごとがあればお気軽にしたの問い合わせよりお願いいたします。