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迷わず進むための動画制作 工程表の作り方:企画から納品までを1枚で管理する
動画制作
2026.02.01

迷わず進むための動画制作 工程表の作り方:企画から納品までを1枚で管理する

はじめに

動画制作は、思いつきで走り出すと途中で必ず詰まります。撮影日が決まらない、台本が直らない、編集の順番が迷子になる、修正が何度も戻ってくる。こうした混乱の多くは「何を・誰が・いつまでに・どの順でやるか」が共有されていないことが原因です。そこで役立つのが動画制作 工程表です。工程表があるだけで、作業の抜け漏れが減り、関係者の不安も小さくなり、納期と品質の両立がしやすくなります。

工程表で管理すべきゴールは2つ

工程表を作る前に、まず管理したいゴールを明確にします。
1つ目は納期を守ること。納期は「公開日」だけでなく「社内確認の締切」「クライアント最終確認の締切」「入稿の締切」など複数あります。どれが最終地点かを決めると逆算ができます。
2つ目は品質を揃えること。品質はセンスだけでは揃いません。台本、撮影、編集、音、テロップ、色味、サムネなど、品質に影響する工程を工程表に入れることで、再現性が上がります。

工程表を作る前に決めておく5つの前提

工程表は、前提が曖昧だとすぐ破綻します。最低限、次の5つを先に固めます。
・目的:何のための動画か(認知、比較検討、申込み、採用、教育など)
・ターゲット:誰が見るか(年齢層、職種、課題、検索行動)
・尺と本数:1本の長さ、合計本数、シリーズか単発か
・媒体:YouTube、SNS広告、Webサイト埋め込み、展示会など
・制作体制:社内主導か外注か、担当者、決裁者、確認フロー

ここが決まると、工程表の「現実味」が一気に上がります。特に確認フロー(誰が最終OKを出すか)が曖昧だと、修正が止まらず、いつまでも完成しません。

工程表とスケジュール表の違い

スケジュール表が「いつ何をするか」に寄るのに対して、工程表は「作業の粒度を揃えて、責任と成果物まで決める」ことに重心があります。例えば「編集」と1行で書くのはスケジュール的には分かりやすいですが、工程としては粗すぎます。仮編集、本編集、テロップ、音、色、書き出しまで分けて初めて、遅れた原因と次の手が見えます。

動画制作の標準工程を理解する

動画は一般に、企画・プリプロ(撮影前準備)・撮影(本番)・ポストプロ(編集)・納品の流れで進みます。工程表は、この流れを自社や案件に合わせて「作業単位」に分解し、締切と担当を紐づけたものです。ここから先は、工程表へ落とし込みやすい形で工程を並べます。

企画フェーズで入れる項目

企画は、撮影や編集の前に迷いを潰す工程です。ここが薄いと後で修正が爆発します。
・課題整理:現状、理想、視聴者のつまずき
・コンセプト決定:一言で言える主張、約束する価値
・参考動画収集:テンポ、画角、テロップ、色味、音の方向性
・構成案:導入→課題→解決→根拠→行動の流れ
・KPI設定:再生数、視聴維持率、クリック率、CVなど
・制作要件:出演者、場所、小道具、ロゴ、BGMの制約

プリプロで入れる項目

撮影前の準備は、当日の失敗を減らす保険です。工程表には「決める作業」と「集める作業」を分けて書くと進捗が見えます。
・台本作成:ナレーション、セリフ、画の指示、テロップ文言
・絵コンテまたはショットリスト:必要カット、尺、画角、動き
・撮影日程調整:出演者、カメラ、場所の空き、予備日
・ロケハン:光、騒音、電源、搬入、許可の確認
・機材手配:カメラ、マイク、照明、三脚、予備バッテリー
・衣装・小道具準備:ブランド表現や安全面の確認
・権利確認:ロゴ使用、音源、素材、出演同意、撮影許可
・撮影当日の段取り表:集合、設営、撮影順、撤収、データ受け渡し

撮影フェーズで入れる項目

撮影は「素材を揃える」工程です。工程表には、撮影そのものだけでなく、素材の管理まで含めます。
・設営、音チェック、ホワイトバランス確認
・本番撮影(Aカメ、Bカメ、音声)
・追加カット撮影(Bロール、手元、風景、製品)
・インタビュー、テイク管理(OK/NG、メモ)
・データバックアップ(当日2重化が基本)
・素材整理(フォルダ命名、撮影順、メモの共有)

編集フェーズで入れる項目

編集は、工程が多く、修正も起こりやすいフェーズです。工程表は「版管理」を前提に組み立てます。
・素材取り込み、プロジェクト作成、同期
・仮編集(粗編集):順番と尺を先に作る
・本編集:間、テンポ、不要部分の削除、画のつなぎ
・テロップ作成:フォント、サイズ、色、表示ルール
・図版・モーション:図解、強調、アニメーションの統一
・BGM/SE:音量基準、場面転換、著作権条件
・色調整:露出、肌色、ブランドの色味
・音声整音:ノイズ除去、コンプ、EQ、ラウドネス
・サムネ制作:コピー、視認性、統一感
・書き出し:解像度、ビットレート、形式、字幕有無

確認・修正フェーズで入れる項目

修正が長引く最大の理由は「誰が何を基準に直すのか」が曖昧なことです。工程表には確認者と回数、締切、修正ルールを必ず入れます。
・初稿確認(社内):目的に合っているか、誤字脱字、表現
・初稿修正:修正一覧化、優先度付け、反映
・2稿確認(クライアント):事実関係、ブランド、法務観点
・2稿修正:差分チェック、再書き出し
・最終確認:音量、テロップ、ロゴ、尺、サムネ
・最終書き出し:入稿仕様どおりか最終検品

納品・公開フェーズで入れる項目

公開は終わりではなく、成果につなげるスタートです。工程表に公開後の作業を入れると、運用が途切れません。
・データ納品:本編、サムネ、字幕ファイル、素材一式
・入稿:タイトル、説明文、タグ、チャプター、カード
・公開日時設定:時差、予約投稿、関係者への連絡
・効果測定:視聴維持率、クリック率、コメント分析
・改善案メモ:次回の台本、テロップ、尺に反映

工程表に入れるべき列(項目)の例

工程表の形は自由ですが、最低限この列があると強いです。
・工程名:作業の名前(台本作成、ロケハン、仮編集など)
・担当:主担当とサブ担当(不在時の代替も)
・開始日:いつから着手できるか
・締切日:いつまでに終えるか
・所要時間見積:0.5日、2日など
・前提条件:何が終わったら開始できるか(依存関係)
・成果物:提出物(台本、初稿mp4、サムネjpgなど)
・確認者:レビューする人、決裁者
・ステータス:未着手、進行中、確認待ち、差戻し、完了
・メモ:決定事項、注意点、素材の置き場所

工程表の行(作業)の書き方サンプル

実際には表にしますが、ここでは1行を文章の形で示します。
例1:工程名=台本一次提出/担当=企画担当/締切=T-14日/成果物=台本v1/確認者=制作責任者
例2:工程名=撮影日確定/担当=制作進行/締切=T-10日/前提条件=出演者OK/成果物=撮影スケジュール
例3:工程名=初稿提出(仮編集)/担当=編集者/締切=T-5日/成果物=初稿v1/確認者=社内確認者
例4:工程名=最終書き出し/担当=編集者/締切=T-1日/成果物=納品データ一式/確認者=制作責任者

このように、1行に「成果物」と「確認者」まで入れると、やるべきことが具体化し、差戻し時の責任の所在も明確になります。

工程表を破綻させない作り方ステップ

ステップ1:納期から逆算して大枠を決める

まず公開日(または納品日)を固定し、そこから逆算して「最終確認」「クライアント確認」「初稿提出」「編集開始」「撮影日」「台本確定日」を並べます。いきなり細かい作業を積むと迷うので、節目を先に置くのがコツです。

ステップ2:各節目をさらに作業単位へ分解する

例えば「編集」を一行で終わらせないことが重要です。仮編集、本編集、テロップ、音、色、サムネ、書き出しと分けます。分けるほど管理が面倒に見えますが、分けないほど遅れた原因が見えなくなります。

ステップ3:依存関係と並行作業を整理する

台本が確定しないと撮影できない、撮影が終わらないと編集が始められない、という直列の関係があります。一方で、サムネ案作りやタイトル案、BGM候補探しは前倒しできます。並行できる作業を工程表に書いておくと、遅れを取り戻しやすくなります。

ステップ4:確認回数と締切を先に確保する

修正は必ず起きます。工程表に「初稿確認の締切」「修正反映の締切」を最初から入れます。確認者の予定が埋まっている場合は、作業者が頑張っても前に進みません。制作側だけでなく、確認側の時間も工程表のリソースとして扱います。

ステップ5:バッファを意図して入れる

撮影の天候、出演者の体調、素材の不足、データ破損など、想定外は起こります。編集工程の前後に半日〜1日のバッファ、撮影には予備日、確認には1営業日の余白を作ると、全体が安定します。

よくある遅延ポイントと対策

台本が確定しない

対策:台本の締切を「確定日」と「一次提出日」に分け、一次提出で方向性を固めます。直前の大改稿を防ぐために、構成案の段階で合意を取ります。

撮影当日に素材が足りない

対策:ショットリストに必須カットと余裕カットを分け、撮影順を工程表に明記します。Bロールは後回しにすると撮れずに終わりがちなので、時間帯を固定して確保します。

編集が終わらない

対策:初稿の定義を決めます。例えば「構成と尺が分かる状態」で初稿提出し、テロップや色は2稿で詰める。完璧を目指して初稿が遅れるより、早めに見せて修正の方向を固めた方が結果的に早いです。

修正が増え続ける

対策:修正窓口を一本化し、修正は一覧で提出してもらいます。工程表に「修正は2回まで」などルールを書き、追加修正が発生する場合は納期や費用への影響を明文化します。

規模別の工程表イメージ

1人で作る短尺SNS動画(1本)

・企画:半日(目的と構成だけ決める)
・台本:半日
・撮影:半日(スマホ+簡易ライト)
・編集:1日(テロップ多めなら1.5日)
・確認:半日(自分で見直し)
・公開:半日(投稿文、ハッシュタグ、サムネ)

チームで作る企業紹介動画(3〜5分)

・企画:2〜5日(関係者合意に時間がかかる)
・台本・絵コンテ:3〜7日
・撮影準備:3〜7日(許可、手配、ロケハン)
・撮影:1〜2日(予備日込み)
・編集:7〜15日(初稿→2稿→最終)
・確認:各稿で1〜3日
・納品:1日(複数形式の書き出し)

工程表を運用するコツ

週1回の進捗確認を固定する

工程表は作って終わりではありません。週1回、関係者で「完了したこと」「詰まっていること」「次の1週間でやること」を確認します。短い会議で十分ですが、固定しないと工程表が更新されず、ただの飾りになります。

ステータスは必ず確認待ちを作る

多くの案件は、作業よりも確認待ちで止まります。未着手・進行中・完了だけだと、止まっている理由が見えません。確認待ち、差戻し、対応中のように、レビュー工程を可視化します。

ファイル置き場と命名規則を工程表に書く

動画は素材が多く、探す時間が積み上がります。フォルダ構成、命名規則、版数(v1、v2など)を工程表のメモ欄に入れておくと、引き継ぎや外注管理が楽になります。

完了の定義を揃える

「台本完了」と言っても、人によって意味が違います。誤字チェックまで終えたのか、決裁者の承認まで取ったのか。工程表に成果物と確認者を入れることで、完了の定義が揃います。

最後に

動画制作は、クリエイティブであるほど不確実性が高く、だからこそ工程表の力が効きます。まずは、次の案件で使える最小の工程表を作り、1回回して、詰まったところだけを改善してください。そうやって型ができると、毎回の制作がラクになり、成果も安定していきます。

動画制作の工程表や成果物にお困りであれば、弊社のお問合せよリお声かけください。