動画制作 見積の取り方完全ガイド|費用相場・内訳・比較ポイント・失敗しない依頼手順
動画制作の見積は、ただ金額を聞くだけの作業ではありません。目的に合った動画を、納期と品質を守って作るための設計図でもあります。見積の段階で条件を整理できていないと、想定外の追加費用が出たり、仕上がりがイメージとズレたり、修正が終わらず公開が遅れたりします。
この記事では、動画制作 見積を依頼するときに押さえるべきポイントを、できるだけわかりやすくまとめます。費用の内訳、相場感、見積比較のコツ、依頼前に決めること、よくあるトラブルの避け方まで、これ1本で全体像がつかめます。
【1】動画制作の見積で最初にやるべきこと:目的とゴールを決める
見積金額は、動画の内容と条件で大きく変わります。同じ「1〜2分の動画」でも、撮影があるのか、アニメーションなのか、字幕が必要か、ナレーションが必要か、広告配信まで想定するかで必要な工程が変わり、費用が変わります。
まずは次の3点だけでも言語化しておくと、見積の精度が一気に上がります。
- 何のための動画か(認知、採用、営業、社内教育、イベント、広告など)
- 誰に見せたいか(ターゲットの年齢層、業種、課題、視聴シーン)
- 見た人にどうしてほしいか(問い合わせ、購入、応募、資料請求、理解、社内浸透など)
目的が決まると、適切な尺、構成、撮影の必要性、演出の方向性が見え、無駄なコストを削りやすくなります。
【2】動画制作 見積で金額が変わる主な要素
見積が上下する代表的な要素を、先に把握しておきましょう。
・撮影の有無
撮影ありは、人・機材・場所・移動が発生します。撮影なし(素材支給や既存素材活用、アニメーション中心)より費用が上がりやすいです。
・動画の種類
実写(インタビュー、サービス紹介、施設紹介)
アニメーション(モーショングラフィックス、ホワイトボード風、キャラクター)
ハイブリッド(実写+アニメーション)
・尺と本数
1本の尺が長いほど編集工数が増え、素材量も増えます。また、1本だけよりも、同じ日にまとめて複数本撮影するほうが割安になりやすいケースもあります。
・企画の深さ
企画提案、構成案、台本、絵コンテまで依頼するのか。ここを制作会社に任せるほど費用は上がりますが、成果につながる確率も上がります。
・表現の作り込み
テロップの量、アニメーションの複雑さ、BGMやSEの演出、カラーグレーディング、合成、3D、特殊効果などで工数が変わります。
・出演者やナレーション
社員出演ならコストを抑えられます。プロのナレーター、モデル、役者を起用すると費用が加算されます。
・撮影場所と日数
スタジオ利用、遠方ロケ、複数拠点撮影、撮影日数増はコスト増要因です。
・修正回数と進め方
無料修正が何回までか、修正の範囲がどこまでか(テロップ微修正だけか、構成の組み替えまで含むか)で、後のトラブルが減ります。
・納期(スピード)
短納期は優先対応や体制増が必要になり、追加費用が発生しやすいです。
【3】動画制作費の内訳:見積書でよく見る項目
見積書に出やすい項目を、意味とともに整理します。これが読めると、比較が楽になります。
企画費
目的整理、企画提案、構成案、台本作成、絵コンテ作成などの費用です。提案の深さにより変動します。
制作管理費(ディレクション費)
全体進行、品質管理、クライアントとの調整、現場の指揮など。動画制作の要です。安すぎる場合、管理が薄くなって納期遅れや品質ブレが起きることもあります。
撮影費
カメラマン、人員、撮影機材、照明、音声、ロケ車両など。
同じ撮影でも、カメラ1台か2台か、照明を組むか、音声を丁寧に録るかで変わります。
編集費
素材整理、カット編集、テロップ、BGM/SE、色補正、簡易整音など。尺と素材量、演出の細かさで変わります。
モーショングラフィックス・アニメーション費
ロゴアニメーション、図解、動くテロップ、画面演出など。内容の複雑さと秒数で変動します。
ナレーション費
原稿調整、ナレーター手配、収録、整音。修正収録の扱いも要確認です。
素材費
BGM、効果音、写真、動画素材の購入費。著作権的に安全な素材の範囲で選定するほど費用がかかることがあります。
字幕制作費
日本語字幕、英語字幕など。テロップとは別項目になることがあります。話者が多いと工数が増えます。
交通費・宿泊費・スタジオ費
実費精算のことが多いですが、見積に含まれているか確認します。
納品費
納品形式(MP4、ProResなど)、解像度(HD/4K)、縦横比(16:9、9:16、1:1)、データ受け渡し、クラウド管理など。内容によっては追加になります。
【4】相場の目安:用途別にざっくり把握する
相場は条件で大きく動きますが、目安があると見積が妥当か判断しやすくなります。ここでは一般的なレンジ感を紹介します。
・編集のみ(素材支給、テロップ+BGM程度)
5万円〜20万円程度
素材の長さ、テロップ量、修正回数で上下します。
・YouTubeの編集代行(継続、テンプレ運用)
1本あたり1.5万円〜10万円程度
企画や撮影も含むか、サムネ制作や切り抜きが含まれるかで変わります。
・会社紹介・サービス紹介(1〜3分、撮影1日)
30万円〜120万円程度
企画の有無、カメラ台数、ナレーション、図解演出で変動します。
・採用動画(インタビュー中心、撮影1〜2日)
50万円〜200万円程度
複数拠点や密度の高い構成、社員数が多いと上がります。
・広告用動画(短尺を複数パターン、ABテスト想定)
20万円〜150万円程度
複数尺・複数バリエーションを同時に作ると、1本あたりは下がることもあります。
・アニメーション中心(図解多め、1〜2分)
30万円〜200万円程度
デザインの作り込み、イラスト制作、アニメの複雑さで大きく変わります。
重要なのは、相場に合わせることではなく、目的に対して必要な工程が見積に入っているかを見抜くことです。
【5】見積依頼前のチェックリスト:これだけ決めると話が早い
動画制作 見積をスムーズに出してもらうために、最低限そろえると良い情報です。全部そろっていなくても大丈夫ですが、多いほど精度が上がります。
・動画の目的(何を達成したいか)
・掲載先(Webサイト、YouTube、展示会、SNS広告、採用ページなど)
・想定尺(例:60秒、90秒、3分)
・本数(例:本編1本+縦型15秒を3本)
・撮影の有無(ありなら場所、候補日、人数、撮影対象)
・参考動画(雰囲気が近いものを2〜3本)
・素材の有無(ロゴ、写真、既存映像、過去資料)
・出演者(社員か、外部モデルか)
・字幕の要否(日本語字幕、英語字幕)
・ナレーションの要否
・希望納期(初稿、最終納品の希望日)
・予算感(上限だけでも)
・社内確認フロー(誰がOKを出すか、何段階あるか)
予算感を伝えるのが気まずい場合もありますが、上限がわかると制作側が現実的な提案を作りやすくなり、無理な内容で見積が膨らむのを防げます。
【6】見積の取り方:1社だけで決めないほうがいい理由
可能なら2〜3社から見積を取るのがおすすめです。理由は単純に比較できるからだけではありません。
・自社が求めている品質と価格帯の相場が見える
・提案内容の差で、必要な工程が明確になる
・コミュニケーションの相性が見える
ただし、見積比較は金額だけで判断しないのが鉄則です。次の章で比較ポイントを整理します。
【7】見積比較のポイント:安い高いより、条件の差を見る
複数社の見積を比べるときは、次を見てください。
・見積の前提条件が明記されているか
尺、納品形式、撮影日数、修正回数、制作範囲(企画あり/なし)が書かれていない見積は危険です。後から追加になりやすいです。
・成果につながる設計が入っているか
目的整理や構成提案がないと、ただの見た目の動画になり、効果が弱くなることがあります。特に広告や採用は設計の差が出ます。
・修正回数と修正の定義が現実的か
修正2回までと書かれていても、どの段階の修正なのかが重要です。
例:初稿後2回なのか、テロップのみなのか、構成変更は別料金なのか。
・制作管理体制が見えるか
担当者が誰で、やり取りは誰が窓口か、スケジュール案があるか。ここがしっかりしているとトラブルが減ります。
・著作権や素材利用の考え方が明確か
BGMや素材の扱いが曖昧だと、公開後の差し替えリスクが出ます。見積段階で安全な運用が想定されているか確認します。
【8】よくある追加費用の原因と防ぎ方
見積後に増えやすいポイントを先に潰しておくと安心です。
原因1:後から尺が伸びる
対策:想定尺と許容範囲を決める。1分版と3分版を同時に作るなら最初から伝える。
原因2:修正が止まらない
対策:社内確認の順番を決め、まとめてフィードバックする。個別にバラバラ修正を入れると費用も納期も膨らみます。
原因3:撮影が増える、撮り直しが発生する
対策:撮影前に香盤表(スケジュール)を作り、当日の撮影対象・シーンを確定する。インタビューなら質問案も事前に合意する。
原因4:素材がそろわない
対策:ロゴ、写真、製品画像、過去資料などの提出期限を決める。素材待ちで編集が止まるとスケジュールが崩れます。
原因5:納期が急に早まる
対策:短納期の可能性があるなら最初に伝え、特急対応費の条件も確認する。
【9】見積を安くするコツ:品質を落とさず削れるところを削る
コスト調整は、削る場所を間違えると効果が出ない動画になります。おすすめは次の順で検討することです。
・撮影日数を減らす工夫
同日にまとめ撮りする、ロケ地を近場に寄せる、撮影シーンを整理する。
・動画本数を増やして単価を下げる
広告やSNS運用では、まとめて複数本作ったほうが1本あたりが下がるケースがあります。
・テンプレ化できる部分を決める
オープニング、テロップデザイン、BGMトーンを固定すると編集が安定し、継続運用で効いてきます。
・出演者やロケをシンプルに
モデル起用やスタジオ利用は強力ですが、目的次第では社員出演+社内撮影で十分成果が出ることもあります。
・最初から上限予算を共有する
上限がわかると、制作側はその範囲で最大効果を狙う構成と工数配分を考えられます。
【10】見積依頼の文章例:そのまま使えるテンプレ
以下をベースに、必要なところだけ埋めると伝わりやすいです。
件名:動画制作の見積依頼(サービス紹介動画)
本文:
動画制作の見積をご相談したくご連絡しました。
目的:サービス認知と問い合わせ獲得
掲載先:自社サイト、YouTube、営業資料での利用
想定尺:90秒前後
本数:本編1本(可能なら15秒版も追加の見積希望)
制作内容:企画提案〜編集までお願いしたいです(撮影あり)
撮影候補:◯月◯週、場所は東京都内(オフィス)
参考イメージ:落ち着いたトーンで、図解が入る雰囲気
必要要素:字幕あり、ナレーションは要相談
希望納期:◯月◯日までに納品希望
予算感:上限◯◯万円(調整可)
この条件で概算見積と、進行スケジュール案をご提示いただけますと助かります。
【11】見積書で必ず確認したい契約・運用まわり
制作が始まってから揉めやすいのが、金額以外の条件です。見積段階で次を確認すると安心です。
・支払い条件(着手金の有無、分割、検収後払いなど)
・キャンセル規定(いつから費用が発生するか)
・納品物の範囲(動画データのみか、編集プロジェクトも渡すのか)
・著作権・二次利用(SNS広告、イベント上映、他媒体転用が可能か)
・素材の保管期間(納品後どれくらい保存してくれるか)
【12】結論:良い動画は、良い見積から始まる
動画制作 見積で大切なのは、金額を安くすることより、目的達成に必要な工程が入っているかを見極めることです。見積は交渉材料ではなく、成功確率を上げるための確認書です。
最後に、迷ったときの最短ルートをまとめます。
- 目的、掲載先、尺、本数、納期、予算上限を決める
- 参考動画を2〜3本用意する
- 2〜3社に同じ条件で見積を依頼する
- 金額ではなく、前提条件・修正条件・提案力・進行体制で比較する
- 追加費用の出やすい点(尺、修正、撮影追加、素材不足)を先に潰す
この流れで進めれば、見積の段階から失敗を減らし、納得感のある動画制作に近づけます。必要な条件がまだ固まっていない場合でも、目的と用途だけでも伝えれば概算見積は出せるので、まずは整理から始めてみてください。
撮影についてお困りごとあればお気軽にお声かけください。
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