大学広報 instagram運用ガイド:プロフィール設計・リンク導線・保存される投稿
大学の情報発信は、文章だけでは伝わりにくい場面が増えています。キャンパスの空気感、学生の表情、授業の雰囲気、研究の臨場感、先生の人柄。こうした要素は、Instagramの投稿だけでも十分に伝わります。一方で、大学広報 instagram運用を始めると、次の悩みが起きがちです。
投稿はしているのに、オープンキャンパス予約や資料請求に結びつかない。フォロワーは増えても、受験生に届いている実感がない。担当者が変わるたびに、運用の目的と基準が揺れる。ストーリーズは頑張っているのに、フィードの資産が残らない。
このズレを減らすコツは、センスではなく設計です。プロフィールで迷わせない。リンク導線を目的別に分ける。保存される投稿を定型化する。さらに、投稿の役割を分担し、継続できる運用フローにする。ここでは、大学広報の現場でそのまま使える形で、プロフィール設計・リンク導線・保存される投稿を中心に整理します。
まず決めるべきはInstagramの役割
Instagramは、公式サイトのように情報を網羅する場所ではありません。出願手続きや制度説明を最後まで完結させる場所でもありません。強いのは、印象を作り、検討の材料を増やし、次の行動の入口になれることです。
最初に、Instagramに担わせる役割を言葉にします。おすすめは次の3段階です。
- 役割1:発見の入口
初めて大学を知る、印象が変わる、雰囲気が伝わる - 役割2:比較の材料
学部・学科の違い、学生生活、支援制度の要点が分かる - 役割3:行動の入口
オープンキャンパス予約、資料請求、相談、説明会申込へつなげる
重要なのは、1つの投稿で全部をやらないことです。フィードは資産、ストーリーズは接触回数、リールは発見、というように役割分担すると運用が安定します。
プロフィール設計は広報の入口ではなく、迷子防止の装置
大学のInstagramで成果が出ない原因として多いのが、プロフィールが弱いことです。投稿がどれだけ良くても、プロフィールで迷わせるとリンククリックも保存も伸びません。プロフィールは、第二の案内所です。初見の人が10秒で理解できる状態を作ります。
1)名前欄で何のアカウントか即答できるようにする
プロフィールの表示名は、検索にも効きます。略称だけにせず、地域やキャンパスも入れると強いです。
例
- 〇〇大学 入試・学生生活(公式)
- 〇〇大学 オープンキャンパス情報
- 〇〇大学 〇〇キャンパス 公式
運用目的が入試寄りなら、入試・OCが見える表記に寄せます。
2)自己紹介文は「誰に・何が・どこに」を短く
良いプロフィール文は、丁寧な挨拶よりも、役立つ約束が先にあります。
構成テンプレ
- 誰向け:受験生/保護者/高校教員
- 何が分かる:学部の学び、学生生活、入試の要点、支援制度
- どこへ:OC予約、資料請求、よくある質問、相談窓口
例(文章の型)
受験生・保護者向けに、学部の学びと学生生活、入試の要点を分かりやすく発信。
OC日程・予約、資料請求、相談はリンクから。
ここで頑張って盛るより、迷わない情報設計が勝ちます。
3)固定投稿は「初見向けの3点セット」にする
フィードの上部に固定できる投稿は、大学広報では特に重要です。おすすめは3本です。
- 固定1:はじめての人向け案内
このアカウントで分かること、見どころ、よく使う導線の説明 - 固定2:オープンキャンパス案内
日程、予約、当日の回り方、よくある不安の解消 - 固定3:学部・学科の入口
学部一覧、学びの特徴、比較のポイント、向いている人
固定投稿があるだけで、プロフィール遷移からの行動率が変わります。
4)ハイライトは「相談されやすい順」に並べる
ストーリーズは流れますが、ハイライトは資産になります。大学広報で使いやすいハイライト構成は次の通りです。
おすすめハイライト例
- OC
- 入試
- 学費・支援
- 学部紹介
- 学生生活
- キャンパス
- 留学
- 就職・キャリア
- よくある質問
- 相談窓口
ポイントは、可愛い名前よりも、検索される言葉で揃えることです。ハイライトの最初の1枚目に、結論のカードを置くと親切です。
例
OCハイライトの1枚目:予約方法と日程の見方
入試ハイライトの1枚目:方式一覧と締切の見方
リンク導線は「1本にまとめない」。目的別に分ける
大学の導線設計で起きがちな失敗は、プロフィールのリンク先がトップページ、または情報量が多すぎる総合ページになっていることです。受験生は迷った瞬間に戻ります。リンクは少なく、短く、目的別に分けます。
導線は4種類に分けると整理しやすい
- 導線A:雰囲気を掴む
行き先:大学紹介、学生生活、キャンパスのまとめ - 導線B:オープンキャンパス
行き先:日程一覧 → 予約(最短で) - 導線C:入試の不安解消
行き先:入試の要点ページ(長いPDF直リンクは避ける) - 導線D:相談
行き先:相談予約、問い合わせ、チャット導線
プロフィールリンクは、見せたいもの全部ではなく、受験生が次にやることだけを置きます。
リンクの見せ方は「ページ名」ではなく「得られる結果」で書く
悪い例
- 入試情報はこちら
- オープンキャンパスページ
- 学部紹介
良い例
- 出願までの流れを1ページで確認
- OC日程を選んで予約する
- 学部の違いを3分で比較
- 相談予約をする(不安を解消)
リンクは、行動の説明になっているほどクリックされます。
ストーリーズのリンクは「その場で完結」させる
ストーリーズは、フィードより行動が起きやすい反面、迷わせると一瞬で離脱します。
運用の型
- ストーリーズで結論を先に言う
- 次の1歩を1つに絞る
- リンク先が何かを予告する
- 入力が必要な場合は手順の短さを伝える
例
今日のOC、空き枠がある日程だけまとめました。リンク先で日程を選ぶだけです。
リンクが弱いときに疑うポイント
- リンクが多すぎて選べない
- 目的別に分けていない
- スマホで開いたときに最初の画面で迷う
- 予約や資料請求のボタンが遠い
- フォームが長い、入力が面倒
導線は投稿の努力よりも、入口の整備が効くことが多いです。
保存される投稿は「未来の自分のためのメモ」を作ること
Instagramで大学広報が本当に取りにいきたい反応は、いいねより保存です。保存は、後で見返す価値があるという意思表示で、検討に近い行動です。保存される投稿は、映えよりも役立つ情報が勝ちます。
保存が増えやすい投稿の型
- チェックリスト
OCの持ち物、当日の回り方、出願前確認 - 期限・タイムライン
出願までのスケジュール、OCのおすすめ時期、奨学金の流れ - 比較表
学部の違い、入試方式の違い、授業スタイルの違い - 失敗回避
よくあるミス、注意点、誤解されやすいポイント - 1分でわかる要点
制度の要点、支援制度の要点、相談先の使い分け - Q&Aまとめ
よくある質問、保護者の質問、ひとり参加の不安
保存される投稿は、読むための投稿です。写真が主役ではなく、情報が主役の設計にします。
カルーセル投稿は「1枚目で勝負、最後で行動」
大学広報のカルーセル(複数枚投稿)は相性が良いです。構成は固定できます。
おすすめ構成テンプレ(8枚)
1枚目:結論(誰向け、何が得られる)
2枚目:全体像(目次、3つのポイント)
3〜6枚目:要点(1枚1情報)
7枚目:よくある勘違い・注意点
8枚目:まとめ+保存の一言+次の行動
最後はリンク誘導より、保存や共有を促すと伸びやすいです。導線は、別の投稿やストーリーズで回収してもいいです。
締めの言い方例
- あとで見返せるように保存しておいてください
- OC前日に見返す用に保存推奨
- 迷ったらこの投稿に戻ってください
キャプションは長文より、読み方を助ける
キャプションは作文ではなく、読み方の補助です。
おすすめ構成
- 最初の2行:誰向け、何が分かる
- 箇条書き:要点3つ
- 最後:保存・質問・次に見てほしい投稿
例(最後の一言)
気になる点はコメントで質問ください。入試の要点まとめはハイライトにもあります。
投稿の柱を決めると、ネタ切れしない
大学広報のInstagramは、柱を固定すると安定します。おすすめは次の4本柱です。
- 入試:不安を減らす
- 学生生活:入学後が想像できる
- 学び・研究:魅力と価値が伝わる
- 支援・進路:安心材料を出す
週の回し方例(週3投稿)
- 1本目:学生生活(空気感)
- 2本目:入試・支援(保存系)
- 3本目:学び・研究(魅力系)
ストーリーズは、裏側や日常の接触回数として毎日少しだけでも強いです。フィードは資産として週2〜3本でも十分回ります。
フォーマット別の使い分け
Instagramは、フィードだけで戦うと損です。機能ごとに得意が違うので、役割分担します。
フィード(写真・カルーセル)
得意:保存、検索、資産化
向いている内容:チェックリスト、比較、まとめ、Q&A、学部紹介
リール(短尺動画)
得意:発見、初見獲得
向いている内容:キャンパスの雰囲気、授業の一瞬、研究の入口、学生の一言
リールは、説明を詰め込みすぎない方が伸びます。雰囲気の1点突破で、次の行動はプロフィールに任せます。
ストーリーズ
得意:行動、関係づくり
向いている内容:当日告知、空き枠案内、Q&A、投票、リンク誘導
ストーリーズは、反応を取る場です。質問箱、投票、クイズは大学でも使いやすいです。
ハイライト
得意:迷子防止、問い合わせ削減
向いている内容:OC、入試、学費、相談、よくある質問
運用フローを固定すると、継続できる
運用が止まる原因は、毎回ゼロから考えることと、確認の手戻りです。フローを固定します。
1)月1回:企画会議(次の8〜12本を決める)
決める項目(テンプレ)
- 誰向けか
- 投稿の目的(保存を取る/雰囲気を出す/行動につなぐ)
- 投稿形式(カルーセル/リール/ストーリーズ)
- 要点(3つ)
- CTA(1つだけ)
2)月1回:撮影日(まとめ撮り)
おすすめは、同じ場所で3本作ることです。
図書館で「席の種類」「静音ゾーン」「予約のコツ」。
学食で「人気」「混雑回避」「価格帯」。
OCで「当日の回り方」「持ち物」「ひとり参加不安」。
まとめ撮りができると、投稿が止まりません。
3)週1回:編集・投稿準備
- フィードはテンプレ(表紙・文字量・色味の基準)を決める
- リールは字幕を最優先(無音でも伝わる)
- 投稿前チェックを短く固定する
4)投稿前チェック(最低限)
- 個人情報の写り込みがない
- 学生の許諾が取れている
- 入試や日程の誤情報がない
- 煽りすぎ、誤解を招く表現がない
- 次の行動が1つに絞れている
KPIは再生数より「保存」と「導線」で見る
Instagramは、数字に振り回されると続きません。週次と月次で見るものを分けます。
先行指標(週次で改善しやすい)
- 保存数、保存率
- シェア数
- プロフィールアクセス
- リールの視聴維持(冒頭離脱)
- ストーリーズの離脱(どこで落ちたか)
行動指標(月次で確認)
- リンククリック
- 予約、請求、相談などの完了数(可能な範囲で)
- OC前の投稿が伸びたか、当日の質問が減ったか
保存が伸びた投稿は、大学選びの検討に残る投稿です。再生が伸びなくても、保存が強いなら価値があります。
よくある失敗と直し方
失敗1:投稿がバラバラで大学の強みが残らない
直し方:柱を固定し、週の並びを決める。保存系と雰囲気系を混ぜる。
失敗2:プロフィールから行動につながらない
直し方:固定投稿とハイライトを整える。リンクを目的別にし、行き先の説明を短く書く。
失敗3:いいねは付くが保存が伸びない
直し方:まとめ、チェックリスト、比較、期限など「後で必要になる」投稿に寄せる。
失敗4:ストーリーズが頑張り損になる
直し方:ストーリーズで出た質問や反応を、フィードの保存投稿に変換して資産化する。
迷わないための最初の30日プラン
最後に、立ち上げ期におすすめの進め方です。完璧を目指すより、型を作るのが優先です。
1週目:プロフィール整備
- 表示名、自己紹介、固定投稿3本、ハイライト整備
2週目:保存投稿を2本作る
- OCの回り方
- 入試の要点(よくある誤解つき)
3週目:雰囲気リールを2本作る
- キャンパスの1日
- 授業の一瞬(無音でも伝わる字幕)
4週目:導線チェック
- ストーリーズからリンク誘導を1回実施
- クリックが起きたか、迷子がいないか確認
- 次月の投稿テーマを8本決める
これを回すだけで、大学広報 instagram運用は「頑張り」から「仕組み」に変わります。
大学のInstagramは、映えるかどうかより、迷わせない設計と、保存される情報の資産化で強くなります。プロフィールで入口を整え、リンク導線を目的別に分け、保存される投稿を定型化する。この3点が揃うと、投稿の成果が読みやすくなり、改善のスピードが上がります。まずは、固定投稿3本と、保存系カルーセル2本から始めてください。そこから運用は一気に楽になります。
ご相談事項あればメールにてお気軽にお問い合わせください。
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